タイの永住権(もしくは永住ビザ)についての話です。あくまでも個人的な意見・見解ですのでご了承下さい。
まず私の意見として先に結論から言ってしまえば「自分にとってタイ永住権は絶対に必要なのか?」という一言に尽きるかと思います。それだけを自身の中でハッキリさせていれば、基本的には永住権を取得することにおいて特に後悔する事は少ないと思います。
他国に永住する権利を申請するのが本来の目的なので、例えばリエントリーが特殊でよくタイ国外に行く人なら不便だとか、結局パスポートを使用しないと様々な手続きを行えないなど、確かに事実ですがタイ国内にいる限り更新しなくていいビザが永住権ですから、それ以外のメリットやデメリットについて語ること自体がナンセンスかな、とも思います。
それを他国の永住権と比較するのもあまり意味のないことですし、何もかもタイ人と同じような扱いでタイに永住したいというのならもはやタイに帰化するしかありません。
永住権があればビザ更新はもちろん無くなり、様々なレポートから解放され無職でも永住可能です。ワークパーミット(就業許可証)の申請も楽になります。仕事をするためにタイに居住しているのでは無く、永住しているのだから仕事をする必要があり申請が出来るのが当然、と言ったところでしょうか。
他には外国人でも銀行でローンが組める、仮にタイ国内で犯罪を犯した場合に強制送還されない、帰化申請が可能になる、などタイに永住する人に対してはメリットになるはずです。
ただ永住権もビザですから将来的に享受出来る条件が現状から変動していく可能性もあるでしょう。
タイ永住権を申請・取得して後悔した人がいる、というのも事実であり意見の一つでしょうからそれも仕方ありません。申請から受理まで嫌な思いもするはずです。
ですがそれで悩むような人であれば、申請しようと決心すべきでは無いかとも思います。そもそも取得条件を満たした人がいつか取得しようと思うと考える場合、殆どが申請する必要のない人だと感じます。
例えば、あなたの目の前に良いなぁと思ったり興味があるものが売っていたとします。お金はあるけど買うか迷っているから一度冷静に考えようという場合、後であまり必要の無いものだったという場合が多いかと思います。
タイの永住権もそれと似たようなものです。それが必要な人はどうにかして手に入れるし、大変であっても取得するために待ったりせず手に入れるでしょう。そうで無い人には面倒で大変なことの連続でウンザリだった、となるだけでしょう。
逆に言えば、条件が揃っていて考える人は何を悩んでいるのかを今一度自問自答すべきでしょう。必要かどうかと色々な事を天秤にかけて悩むくらいなら、色々と余計な手間がかかる事はしない方がいいのでは?とも思います。
もちろん悩む理由として取得した人の情報が少ない、という事もあり得るかと思います。
とはいえ大まかな申請手続きについては何も特別な事はありません。普通にGoogleで検索して出てくるような一般的な内容、もしくはチェンワッタナーのイミグレで聞ける内容が全てです。人によって必要な手続きが変わるのも事実ですし、一発でパス出来る人や何度もやり直しを指摘されたり、職員が確認しなければならないパターンもあるからです。
私は永住権申請の際に協力してくれた友人から「こういう人もいる」という色々な人の話を聞いていたので、巷に出ている体験談を見ても「やはり申請者の状況によって変わるのだな」くらいの感想しか持っていませんでした。
最も大事なことは、申請する必要書類をきちんと揃えてなおかつミスがないように完璧にすることで、その書類が問題なければ受理されるうでしょう。ただし文句のつけようがなくても必ず何かしら言われるはずです、それがタイの役所ですから。
永住権申請にタイ語のテストがありますが、どの程度のレベルが必要なのか?という事に関しては、ほぼ雑談のタイの試験は語学面ではかなり易しいと思います。
そして手数料はタイ人の配偶者がいる場合であれば書類を用意する費用や翻訳代、役所間の移動費や手間賃等々、大まかに言って15〜17万バーツ、タイ人配偶者がいない場合はプラス10万バーツで25〜27万バーツくらい、と考えておけば良いでしょう。もちろん今後どう変わるかは分かりませんが、値段が上がる事はあっても下がる事はないでしょう。
仮に最も多く費用がかかるとしても、日本円で言えば100万円弱といったところでしょうか。それなりにしますがタイランドエリートビザよりはお安い分、手間暇時間は結構かかるといったところでしょう。ですからすぐに楽してタイに滞在できる権利が欲しい!という方はお金で解決出来るエリートビザを取得した方が断然良いかと思われます。
ただ永住権の場合は、取得するためのルートによって途中過程のプロセスや優先順位が曖昧な場合があるというのも取得した人によって感想が変わる理由の一つだと思います。
ルートと言っても、自身で全て申請するのか、エージェントを利用するのか、会社に全面的に協力してもらう、という3つくらいしか基本的に選択肢はありません。それ以外はタイ王国に大きく貢献した、功績をもたらしたといったような余程の偉業を成し遂げた表彰ものレベルの話ですから一般の方にはあまり縁がないでしょう。
そして色々と検討した結果で「やはり自分はタイ永住権が必要だ」という人は出来る限り早く申請することをお勧めします。何故なら各国の永住権の申請条件というのは国の情勢によって常にアップデートされていくものだからです。
現在、タイ永住権は各国籍ごとに年間100人まで申請可能となっていますが、仮に「申請する外国人やタイに在住する外国人が増えたので50名までに変更する。申請条件も厳しくする。」と言われたらそれで取得条件を失う人だって出てくるからです。
就業ビザやリタイアメントビザでさえ年々条件が厳しくなる中で、タイ永住ビザだけが10年近くも条件を変えないこと自体がもはや奇跡とも感じます。今は情勢が不安定だからしばらく受付をストップする、という可能性だって今後も大いにあり得ます。(以前そのような時期もあったと記憶しています。)
本当に必要なものであれば先延ばしにして「いつか申請しよう」なんて思わないはずです。
最初に言いましたが永住したい人は永住権を申請する、それ以外や気持ち的に半々くらいの人は他の方法で滞在し続ける、というのが個人的には一番かと思います。
世の中には色々な考えや意見がありますが、自分の人生に必要なことや行動は結局自身が判断するしかありません。
海外で仕事をしたり生活していく場合、まず人生設計をよく考えてその為に今必要なことを即行動に移すのが大切なことだと思います。そして、外国人としてタイに永住出来る権利が永住権なのでそれ以外の事はあまり期待しないという事も心に留めておくと良いのかもしれません。
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